いまは亡き、マツコと有吉の怒り新党ならぬ、怒り心頭
きついトキ、旦那の良い言動は3倍、そして悪い言動は5倍に感じる。
先日のできごとだ。
毎月、ツライ生理痛で3日間くらいダウンするわたし。
その日も、朝から吐き気や腹痛で動けなかった。
ふと気付けば、もう夕方。
食欲はないけど、旦那のご飯を作らないといけない。
しかし、冷蔵庫を見ると、
メインになるようなモノが何もない。
あー買い出しにいかけないといけない、
あーなにを作ろうか、
あーお腹痛い、
と、憂鬱になる。
そんなことを思いながらも動けないでいると、
旦那から一本の電話が。
体調どう?ご飯作れんならなんか買ってくるけど。
あー、助かった。
ご飯だけは炊いておくから、
ごめんけど、
自分の食べたいおかずを買って来てくれたら助かる。
あとでお金返すけん
と、電話を切る。
買い出しにいかなくていい、
料理しなくていい
と思うと、
少しだけ憂鬱な気分が和らいだ。
しばらくして、旦那が帰ってきた。
部屋に入るなり、レジ袋から食材を取り出し、
IHの電源を押すではないか。
惣菜などのてんやものを買ってくる、
てっきりそう思っていた。
なんやら、惣菜コーナーはほぼ売り切れになっていたようで、
仕方なく、
フライパンで焼くだけでいい味付き肉と、
豆腐を切って炒めるだけでいいクックドゥの麻婆豆腐
を買ってきたとのこと。
基本は焼くだけだが、
旦那も料理をしてくれることがある。
今日は作ってとわたしからお願いしたトキが多いが、
ごくまれに、
今日は俺が作る
と、言い出したトキ。
とはいえ、
これまでに合わせて5回もあっただろうか
というくらいの頻度だ。
まぁ、世の中には何もしない旦那もいるから、
やってくれるだけまだマシか。
とにもかくにも、
きついトキにこうやって代わってくれるだけで
本当にありがたい。
が、しかし、問題がひとつ。
彼が料理をした後のキッチンまわりは
とにかく汚いのだ。
片付けのことを考えると、
レンジで温めるだけの惣菜だったらもっと良かったのに
とも思ってしまう。
そうは思いながらも、けっして口に出してはいけない。
仕事帰りに買い物して、
作ってくれるだけでもありがたい
と、今いちど感謝の念を思い出し、
邪悪なきもちをしっかりと胸の奥底にしまう。
調理をはじめた旦那に
ごめんね、ありがとう
と、感謝のきもちだけを告げることができた。
旦那よ、行くなら行くって言っておくれ
翌日、
まだ体調がすぐれなかったが、
昨日よりはまだマシになっていた。
旦那を職場まで車で送っていく途中、
ふと
こんなことを言い出した。
そういえば昨日、
職場の先輩から夫婦でバーベキューに誘われたけど、
体調悪いから無理そうって断っておいたよ。
行きたかったけど、
生理痛できついトキに人様のお宅のお庭でバーベキュー
って確かに行けそうもないな。
そう思ったわたしは、
せっかく誘ってもらったんだし、
旦那だけでも行ってきなよ
と、告げた。
しかし、彼は
どこも夫婦同伴だろうし、俺だけ行くのもなんか気が引けるからいいや
と言ったのだ。
なんだか申し訳なくなったわたしは、
彼を送り届けたあと自宅に戻り、
きついながらも執筆の仕事に、
昨夜のキッチンまわりの片付けや掃除、洗濯、
旦那がたくさん寝汗をかいたシーツを洗ったり布団を干したり、
いつも以上に家事を頑張った。
そして、昨夜の料理のお礼と
バーベキューが食べられなかったお詫びに、
旦那の好物を作ろうと、買い出しへと出かけたのだ。
家にビールはあったが、
翌日仕事が休みだと言っていたことを思い出し、
旦那の好きなハイボールやつまみも買うことにした。
ちょうど買い物が終わり、自宅に戻ったところで
旦那から迎えに来てと電話が。
食材を冷蔵庫にしまい、また家を出る。
車で旦那を待つこと10分、
少し離れた場所で数人と話す旦那の姿が見える。
タバコを吸いながら仕事の話でもしているのか
と、カーナビでテレビをみながら待っていたところ、
旦那が駆けよってきた。
助手席に乗るかと思いきや、
彼は運転席がわにまわってきて、
窓をあけるように合図する。
そして、
彼は衝撃のひとことを言ったのだ。
いったん家に戻って車で行ったら飲めんけん、
このまま先輩に送ってもらうことにした。
体調悪いなか迎えにきてくれて
悪いけど、帰ってくれ。
ん? 送ってもらう? 帰れ?
一瞬、意味が分からなかったが、
ひとつの単語がわたしの頭に浮かんできた。
…バーベキュー…
どうやらあそこに集まっている人たちと、
彼は今からバーベキューをするようだ。
わかった、帰りは?
とだけ、言葉を返す。
迎えに来てもらえると助かるけん、
また電話する! ごめん、じゃぁ!
と言い残し、彼は数人のもとへと走って行った。
検索履歴、バレる前に削除。お忘れなきよう
どこも夫婦同伴だろうし、俺だけ行くのもなんか気が引けるからいいや
今朝、ヤツはわたしにこう言ったのだ。
いつ、どのタイミングで、行くことになったのか。
なぜ、迎えの電話をしたトキ、
やっぱり行くことにしたけど、いいかな?
と、言わなかったのか。
なぜ、彼は当たり前のように行くことになっているのか。
分からない、ぜんぜん分からない。
迎えのための往復と待ち時間で30分、この時間はまだいいとして、
買い出しのための移動ふくめて40分、この時間をどうしてくれよう。
彼のために申し訳ないと思ったこのきもち、
彼に少しでも喜んで欲しいと思ったこのきもち、
せめてもの償いと思って頑張った今日1日を、
そしてこの止まらないイライラを、どうしてくれよう。
自宅でひとりやり場のないこのイライラに耐えるが、いっこうにきもちは治まらない。
わたしは、スマホで
旦那にイラッとした時の対処法
を検索することにした。
ずらーと並ぶ検索結果から、いくつかのページを見る。
旦那のいいところを思い浮かべる、
付き合いたての頃を思い出す、
旦那に内緒でプチ贅沢をする、
ママ友に話を聞いてもらう など、
たくさんの対処法があったが、残念ながらどれもピンとこない。
そうして検索しているうちに、
いろんな人が旦那の愚痴を書いているサイトにたどり着く。
それを読んでいると、
へぇーこんなクズもいるんだ、わたしだったら絶えられない、
コレされたら実家に帰るだろう など、
ヤツ以上にひどい言動をする旦那に嘆く妻たちにひどく同情。
下には下がいるものだ。
そう思ったトキ、不思議とイライラは治まっていた。
まぁ、こんなこともあるか。
結果的には料理作らなくてよくなったし
と、テレビでもみてゆっくりする。
夜もふけてきて、
風呂にも入りたいし、寝間着にも着替えたいが、
迎えに行ったトキご挨拶しなければならないな
と、迎えの連絡はまだかとスマホを確認。
しばらくして鳴ったのは、
スマホではなくインターホンだった。
玄関に立っているのはもちろん、ヤツだ。
ほろ酔い気分で家に入るなり、
ただいまー。風呂はいるね。
と、風呂へ直行する。
それを見て、一度治まったあの感情がよみがえってくる。
迎えに来てもらえると助かるけん、
また電話する! ごめん、じゃぁ!
彼は、確かにこう言ったのだ。
イライラしながらもその指示を忠実に守り、
風呂にも入らず、化粧も落とさず、寝間着に着替えることもせず、
迎えの連絡をじっと待っていたわたしのこのきもちを、どうしてくれよう。
ほどなくして、風呂からあがった旦那がリビングにきた。
そしてご機嫌な彼は、
わたしの逆鱗にふれるひとことを言い放つ。
お風呂はいった?
彼にとっては何気ないこの言葉をきかっけに、
一度治まったイライラも、さっき感じたイライラも、
すべてが頭のなかで沸騰し、口から出てくる苦情の数々。
旦那はなぜこんなに怒っているのか、
驚きを隠せない表情だ。
すべてを言い終え、
彼が謝ってきたこともあり、
わたしの怒りはとうとう治まった。
それからふたりでテレビを見ていたトキ、
事件は起こったのだ。
テレビに映った芸能人の妻って誰だっけ
という会話になり、
旦那は気になるから調べたい様子。
しかし、彼のスマホは充電中だ。
そこで、わたしのスマホを旦那に手渡す。
調べはじめた彼の手は、すぐに止まった。
そして、わたしにスマホの画面をみせながら
こう告げる。
ねぇ、これなん?
そこにうつっていたのは、
旦那にイラッとした時の対処法
という文字。
それはまぎれもなく、わたしが夕方に打った文字だ。
…そう、
わたしは検索履歴を消していなかったのだ。
なんだか、すごく申し訳なく恥ずかしいきもちになり、
弁解し、謝るわたし。
それを、笑って許してくれる旦那。
まぁでも、あと数年したら
旦那をひっそり殺す方法とか調べそうだね
と、イヤミをぽつり。
この日、得られた教訓はひとつ。
検索履歴はちゃんと消そう
長ったらしくなったが、
これをマツコと有吉の怒り新党に
投稿したら、
なによ、このオチは。
はいはい、結果的には仲直りしたんでしょ。
だったらもういいじゃない。
と、不採用になりそうだ。
今は番組が終了して、
マツコ&有吉 かりそめ天国
という新番組に変わったが、
前の方がすきだったな。
初めて訪問させていただきました。
読者登録ありがとうございました。
記事を読ませていただき、イライラポイントがリアルに想像でき過ぎて、面白かったです。
内容は違えど、イライラが沸き上がる感じ、共感しました♪