人を惹き付ける文章とは?広告ライターである私が実践する『文章力UP術』
ボキャブラリーを増やして、表現力を養おう
こんにちは、キナシ アンです。
みなさんは、同意語って知っていますか?
文字通り、同じ意味を持つ言葉です。
「そんなの知ってるよ〜」と声が聞こえてきそうですが、広告の記事制作を主な仕事としている私は、同意語を意識してライティングをしています。
人が惹き付けられる文章を書く為には、常にその店(物)に合ったワード(表現)を選ぶことが大切で、それがお店のブランディングに繋がると実感しているからです。
しかし、残念ながら、語彙力がなくては対応できません。
例えば、飲食店の記事でよく見かける「食べる」「美味しい」「人気店」「新鮮な〜」は、以下の表現に変えることができます。
食べる
- 頂く
- 味わう
- 料理を楽しむ
- 堪能する
- 口にする
- 口に入れる
- 口に運ぶ
- 口に含む
- 舌鼓を打つ
- 頬張る
- 食する
美味しい
- 美味
- 旨い
- ほっぺたが落ちる
- 絶品
- 舌を鳴らす
- 箸が止まらない
- 箸が進む
- 納得の味
- 通をも唸らせる
- 旨さに酔いしれる
- 舌が喜ぶ
- また食べたくなる
- 虜になる
- 〜の枠を越えた味わい
人気店
- ファンが多い店
- 行列の絶えない一軒
- 行列のできる店
- 連日、常連客で賑わう一軒
- 満席必至の店
- 予約が取れない店
- 多くのファンに支持される一軒
- 常連客が足繁く通う一軒
- 〜に定評のある一軒
- クチコミで評判の店
- 〜で話題の店
新鮮な〜
- フレッシュな野菜
- 鮮度の高い魚
- 活きの良い魚
- 青々とした野菜
- 瑞々しいレタス
- 朝穫れの野菜
- 穫れたての野菜
- 産地(市場)直送の野菜
- その日に仕入れた食材
- 今朝水揚げしたばかりの魚
- シャキシャキのレタス
ざっと並べてみましたが、これはほんの一部です。
ボキャブラリーが豊富な人ほど、シーンや目的に合った“人を惹き付ける文章”を書くことができます。
では、実際に文章を作って説明していきます。
例文1)
●人気のチーズタッカルビを食べられる、女性に人気の店を紹介
→今、SNSで話題沸騰中!とろ〜りチーズがインスタ映えする『チーズタッカルビ』を堪能できる、女性ファン多数の一軒を紹介
例文2)
●お刺身が新鮮で美味しい
→九州近海で今朝獲れたばかりの鮮魚のお刺身が絶品!
また、一見デメリットに感じるような言葉も、表現次第ではメリットに変えることができます。それが次の例文。
例文3)
●○○駅から少し離れた住宅街にポツンとあるあまり知られていない居酒屋
→○○駅から徒歩00分!閑静な住宅街の一角にひっそりと佇む、知る人ぞ知る隠れ家的な居酒屋
「駅から少し離れた」という立地の曖昧さを、「徒歩00分」と簡潔に書いてあげることで、受け取り方が変わってきますよね。
「住宅街にポツンとある」という寂しい表現も、駅に近い騒がしい店と比較するように、「閑静な住宅街の一角にひっそりと佇む」と変換することで、寂しいから上品な印象に。
(「駅に近い騒がしい店」というのも、「駅前でアクセス抜群!連日賑わいを見せる人気の一軒」とすれば、印象が随分変わるはずです)
「あまり知られていない」という表現は人気がない店なのかな?と思わせてしまうので、「知る人ぞ知る隠れ家的な」とすると、特別感が出てきて何だか気になってきますよね。
ボキャブラリーが増えたら、次はニーズを読み取るチカラを養う
日々、文章を書いていると、ボキャブラリーはどんどん増えていきます。これは間違いないです。
本や雑誌、TVにもヒントはいっぱいあるので、気になったワードや表現を都度メモることもボキャを増やすには効果的!
しかし、いくらボキャブラリーが豊富になったからと言って、独りよがりな文章になっていてはNG。
“その店に合っている表現になっているか”が最も重要です。
例えば、高級店とファミレスは客単価も違えば、客層も異なります。
それなのに、高級店を思わせるような表現(例えば、舌鼓を打つ)をファミレスの紹介記事で使ってしまうと、
それは逆効果。
読者は「なんだか高そうで行きづらいな…」と敬遠していまします。
反対に、
「リーズナブルだから子連れでも気軽に訪れよう!」なんて表現を、格式高い高級店で使えば、特別な日に上質な空間で普段味わえないような高級料理をゆっくりと楽しみたい読者は、その店を選ばないでしょう。
(その高級店がターゲット層を広げる為に、子連れのファミリー層を獲得したいという要望であればその限りではありません)
つまり、これが前述したブランディングです。
そのお店がどんな客層を求めていて、どんなメニューを売りたいのか。
ニーズを把握したうえで文章を作る必要があるのです。
文章力をUPさせる方法とは?
ブログは文字数の制限はありませんが、紙媒体や仕事の依頼には必ず文字数に限りがあります。
その制限のなかで
「これを紹介するのに、もっと適した良い表現はないか」
「自分が心を動かせられる文章になっているか」を模索し続け、
いらない文章を削ぎ落とし、よりよい表現に使えるワード数を一文字でも増やす。
つまり、一つひとつの記事をブラッシュアップしていく作業を行うのです。
そうすれば、自ずと文章力は向上していきます。
文章力の向上をブログで図りたい人は、書き始める前に自分の中で文字数制限を決めるのがおすすめです。
自分が感じたことを最大限に伝えられるようになると、文章を書くのが楽しくなっていきますよ。
記事の反響があると尚更ですね。
文章力を上げたい人は、ぜひ試してみて下さい。
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